仕事と子育ての両立

女医家庭 医師夫の家事参加を促す方法〜(1)医師夫婦の家事分担の実情〜

悩めるワーママ女医さん
30代前半女医です。夫も勤務医です。子供が生まれて、私は時短勤務になり、仕事と子育てを行っています。夫は、平日は夜遅く、土日も当直や学会などで不在がちで、ほとんど家事を手伝ってくれずワンオペ状態です。正直しんどいです。夫がせめて家にいる時くらい家事を手伝ってくれるといいのですが、どうやったら夫がもう少し家事を担ってくれるでしょうか? 


共働き医師夫婦の女医の悩み、あるあるですね。そんなお悩み解決のために記事を書きます。

本記事の内容は、こんな人におすすめです。

医師夫婦で、夫にもっと家事参加をして欲しいと思っている女医さん

これから医師どうしで結婚しようと思っている若い医師や医学生さん

共働きで夫の家事参加が少ないことに悩んでいるワーママさん

 

本記事を書いている人

 Lilyです。

妻(私)産婦人科医、夫 外科系医師の夫婦歴約20年です。

三人の子供を育て、現在は夫婦ともにフルタイムで働き、勤務時間は夫の方が長いです。

家事分担は現在のところ、妻60%、夫40%くらいと私は思っています。(夫は5割負担していると思っているかもしれません。)私の方が家にいる時間が長いので、私の方が負担が少し大きくなっていますが、家事分担率に特に不満はありません。

子供が小さい時は妻の家事負担が多く、家庭崩壊しそうになりましたが、色々と試行錯誤し、環境にも助けられ、最終的には夫婦円満に、それぞれ自立して仕事、家庭生活を満足して送れています。

そんな私が20年のワーママ女医経験から、体験したり周囲から聞いたこと、調べたことなどを参考にお答えします。

本タイトルは3回に渡ってお届けします。

まず今回は医師夫婦の家事分担の実情についてです。

医師夫婦の家事分担の実情は?

m3という医師専門のインターネットサービスからの記事を参考にしました。→こちらの記事

こちらは、共働きかどうかにかかわらず、背景を問わず医師にアンケートをしたもののようです。

 家事分担比率 夫10%、妻90%以上の家庭が50%

妻が60%以上の家事負担家庭が8割以上という結果でした。

夫婦の理想は夫50%、妻50%が良いと考えている医師が22.1%と一番多いにもかかわらず、実際そのような家庭は7.5%で、夫の方が負担が多い家庭は10%に満たないようでした。

皆さんの想像通り、ほとんどの医師家庭では家事負担が妻に集中しているということが、浮き彫りになっています。これは医師に限らず、日本の家庭の実態ということなんでしょうね。その中でも、特に仕事がブラックと言われることが多い医師家庭の、夫家事負担率は一般よりも低いことが想像されます。

 

医師夫婦歴約20年の我が家の場合

それでは、我が家の家事分担の歴史について紹介します。

お付き合い時代(学生〜研修医):二人とも一人暮らしをしていたので、最低限自分のことはできます。夫は料理がそんなに得意ではないので、私がたまに手料理を振る舞うととても喜んでくれました。(私もそんなに料理上手ではありませんが)

新婚子なし時代:結婚1年で子供ができたので、短い期間でしたが、DINKSを楽しみました。料理は私が担当しましたが、二人とも仕事で疲れている時は外食やテイクアウトを利用したりして、それぞれの仕事に没頭しました。

新婚なので、相手になんでもしてあげたいという気持ちが盛り上がる、「ラブラブ💓」な時期でしたが、仕事を最優先したい時期でもありましたので、新婚当初から食洗機を購入し、家事を頑張りすぎなくてすむ環境を整えていました。夫は食事を食べた後の片付け、洗濯など出来ることを担当。この時期に、食べた後の食器は流しに置きっぱなしにせずすぐに片付ける、洗濯機に洗濯物を置きっぱなしにしないなど、仕事が忙しくても最低限これだけはしておきたい家事の、お互いの価値観を擦り合わせました。夫の方が洗濯に関しては几帳面であり、私にとっては新鮮でした。夫婦で家事のこだわるところが違います。また、この時期に頑張りすぎて、相手を甘やかしすぎないようにするのは大事だと思います。

子育て期(30代):一番忙しい怒涛の時期で、この時代に家庭崩壊しそうになりました。私が子育てのために当直なしの時短勤務にしたり、仕事をセーブしましたが、夫は一番忙しい時期でほとんど家事負担ができない。家事育児を一手に引き受け、仕事ではキャリアアップが遅れる妻に不満が溜まりやすい時期です。両実家の助けを借りたりしながら、最終的には夫の留学により、家庭崩壊が救われた部分がありました。

海外留学期:人生の休暇?ともいうべく、家族でゆっくり過ごせた貴重な数年間でした。この時期に夫も海外スタイルに洗脳?されて、積極的に育児に関わってくれましたし、ホームパーティーをきっかけに、料理をするようになりました。家庭崩壊しそうだったところ、この数年間で家族一致団結して苦楽を共に過ごし、絆がしっかりできました。日本の働き方は、異常だと感じるようになりました。

子供が小学校以上期:帰国後、夫婦ともにフルタイム、当直あり勤務。子供が成長することにより、妻のフルタイム勤務再開。もしこの時期に再開できていなかったら、その後のフルタイム勤務はますます難しくなると思います。妻のキャリアアップ巻き戻し時期でもあり、この間にレベルアップするための専門医(基本の産婦人科専門医は子育て期に取得)、学位を集中して取りました。義理の両親のサポートがあったからできたことで、遅くなる時の夕食をお願いしたり、当直の時は泊まりに来てもらうなどして、助けてもらっていました。

40代後半 人生見直し期:ちょうどコロナとなり、高齢者の感染リスクを考え実家の助けは借りれなくなりました。しかし、長男は大学生、次男高校生、三男中学生、と物理的な子育ての手間が減る時期となりました。夫は平日は夜遅く、当直もありますが、若い頃よりは当直回数は減っています。しかし、若い時とは違う、管理職、指導者としての負担が大きくなったと思います。私は仕事を見直し、自分のしたい働き方や、内容にシフトしたため、仕事においてのストレスが激減しました。家事においては、妻は食事や育児担当、夫は洗濯とゴミ出し、土日は積極的に掃除や庭の手入れなどをしてくれています。

コロナ禍のせいなのか、たまたま年齢的にそういう時期だったのかわかりませんが、仕事は自分の得意で好きなことに集中していこうと決めました。

若い頃は、あれもしなくては、これもしなくては、と焦りのようなものがありましたが、今まで自分のやってきたことの中の特定の分野でやっていくことにしました。

我が家の例が、医師家庭みんなに当てはまるわけではなく、ほんの一例として「こんな夫婦もあるんだ」と見ていただければと思います。

今の多くの女医さんは、初期研修が終わってから数年の間、おそらく30代前半から出産ラッシュを迎えてらっしゃるのかなと思いますが、私は少し早めに出産を開始しました。ロールモデルのあまりいない上、早めの出産だったので、医局での前例がないところを自分で道を作っていく感じでした。おかげで3人産むことができましたが、キャリア形成期はちょっと遅めになってしまったかなと思います。今は女医さんも珍しくなくなりましたので、もう少しスムーズに子育てと両立しながらキャリアを形成できると思います。

周囲の後輩たちは、初期研修が終わり、産婦人科専門医を取得してから大学院生となる時期に出産している人が多かった印象です。大学院での研究の時期にベッドフリー(大学病院の臨床から離れて、バイトと研究のみ)の生活と、子育て期は相性がいいのかもしれません。

なぜ夫に家事をさせたいのか?

 それでは、なぜ夫にもっと家事をさせたいのでしょう?

 これは、明らかに、子供ができると家事育児の負担が激増するからです。その上、仕事も行っていれば当然です。また、医師の仕事は、実際に患者さんを診る業務をしている時だけではなく、キャリアアップのために専門医試験を目指した勉強、論文・学会発表のための準備、研究など、時間外の勉強、研鑽が欠かせません。育児を担っていれば、当然そこに皺寄せが来てしまい、結果としてキャリアアップが遅れます。真面目な女医さんほどそのジレンマやストレスが大きいことでしょう。

 方や夫は、仕事では一番多忙な時期であるとともに、着実にキャリアを伸ばせる時期。妻からしてみれば、仕事に専念できて羨ましい・・・そこから夫婦の溝ができ始めてしまいます。

 夫からしてみれば、自分が仕事を頑張ることが、家族のためと思っていますので、妻の不満が理解できません。妻は、夫がキャリアを伸ばせるのは自分が家事育児を担っているからなのに、せめて感謝やいたわりの言葉があれば救われるけど、当たり前のような顔をされると・・・腹が立つ!となってしまいます。

 また、このまま仕事をセーブしていて、自分のキャリアは大丈夫なんだろうか?という不安がつのり、自分は医師としては全然ダメだ・・・と自己肯定感がどんどん下がっていきます。

 そんな中、休みの日も夫が寝ていたり、これくらいやってくれたらいいのに・・・という些細な家事がおざなりになっていると、小さな不満がどんどん積もり、やがて爆発することも、あります。

 最初から、夫婦の役割が分かりやすく分かれていたら、違和感もないんでしょうが、最初は夫婦ともに医師として対等であっただけに、子育て期に医師のキャリアとしての差が見えてくると、大変なことを担っていると感じる、妻の方に不満がどんどん溜まっていきます。

 こうして、書いてみると、私自身の30代の不穏な空気を思い出しました(笑)

 

次回の記事では、実際の夫家事参加のための解決策を書いていこうと思います。よろしくお願いします。

本記事をお読みくださりありがとうございました。

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家事育児に仕事に疲れている皆さん。たまには楽に美味しいものを食べて元気をつけましょう!

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